口元は思いのほか人の目に入りやすいものです。ふとしたときに見える白い歯は清潔さを感じさせ、また、顔の印象を明るくします。そのため、歯の黄ばみに悩む人の中には、白い歯に憧れを感じている人もいることでしょう。しかし、日々しっかりと歯を磨いているにもかかわらず、歯の黄ばみが取れないというケースもあります。そこで、なぜ歯が汚れるのか、黄ばみの原因と汚れを取る方法について解説します。
歯が黄色くなってきたかも!黄ばみの原因とは
歯の汚れには茶色っぽくなる場合と黄ばんだ色となる場合があります。茶色っぽくなってしまうのは、主に虫歯が原因です。虫歯になると虫歯菌から酸が出ます。そして、歯の表面にあるエナメル質や象牙質が溶ける脱灰(だっかい)という症状が起きてしまうのです。脱灰症状が起こると表面がざらざらしてしまうため、にごった白い色となってしまったり茶色くなってしまったりすることがあります。また、完全に歯の中の神経が死んでしまって、歯の栄養がなくなり茶色や黒っぽくなってしまうケースもあるのです。さらに、生まれつき黄色っぽい色の歯をしているという場合もあります。先天性のものは、もともとエナメル質が少なかったり、遺伝であったりといったことが原因です。
一方、黄ばみが生じてしまうのは、加齢などによりエナメル質が減ってしまっていることが起因しているほか、生活環境の影響を受けている場合もあります。たとえば、タバコを吸っている人は、喫煙が原因で歯に黄ばみが付いてしまっている可能性もあるのです。タバコには、さまざまな物質が含まれていますが、その1つに発がん性物質を持ったタールがあります。タールの色は、もともとは黒色です。しかし、歯に付着することで黄色く色が発色します。
また、色が濃く酸性度の高い飲食物を食べることで歯の色が黄ばんでしまうこともあるのです。黄ばみの原因は飲食物に含まれる着色料です。タバコと同じく食べ物や飲み物が原因の場合も、歯の表面に色素が沈着することで黄ばんでしまいます。また、酸性が強い飲食物を食べることで黄ばみが付いてしまうこともありますが、これは、歯のエナメル質が溶け、黄色がかった象牙質が目立つようになることが理由です。
セルフケアできる?黄ばみを取り除く方法とは
黄ばみを取るためには主に3つの方法があります。1つ目はクリニックで行うオフィスホワイトニングです。漂白効果のある過酸化水素を含んだホワイトニング剤を使用し、歯科医師のいるクリニックで施術が行われます。オフィスホワイトニングは専門的な知識をもった歯科医師によるヒアリングや検査を受けた後に受けるものです。必要に応じて高い濃度の薬剤を使ったクリーニングを行うことも可能であるため、早く高い効果が期待できる方法といえるでしょう。ただし、ホワイトニングは原則、保険の適用外の施術として扱われています。そのため、高額になりやすいというデメリットもあるのです。また、施術の際に使用するホワイトニングの機器から発する熱や、ホワイトニング後に照射する光の刺激によって口内に痛みを感じる人もいます。施術での痛みは濃度の高い薬剤が歯に染みることが原因で生じる場合もあります。
2つ目の方法は自宅で行うホームホワイトニングです。歯科医院などに通院する必要がないため、時間がない人でも続けやすいというメリットがあります。また、一般的に低い濃度の薬剤を使用するため、刺激が少ないというメリットもあるのです。
より優しく歯のホワイトニングをしたいなら、市販のホワイトニングジェルを使うというのも方法でしょう。歯科医師からも高い評価を得ている「ちゅらトゥースホワイトニング」は家などでも気軽に利用することができる商品です。植物由来の成分を配合しているため、体に優しく安心して使用することができます。また、歯の表面を傷つけることがある研磨剤を使わずにホワイトニング効果が期待できるという点も魅力です。白い歯へと導く有効成分が配合されていて、ビタミンCやリンゴ酸は歯に付着した汚れを落としてくれる働きをもった成分です。さらに、ポリアスパラギン酸が、付着するステインや歯垢から歯を守り、黄ばみをしっかりと撤去してくれます。
3つ目の方法となるのが、自宅で行うホームホワイトニングとクリニックでのオフィスホワイトニングの両者のメリットをバランスよく活用するデュアルホワイトニングです。高濃度の薬剤を利用して歯の外側から一気に強く働きかけるというアプローチを取ります。さらに、低い濃度の薬剤でじっくりと内側から歯に働きかける方法を繰り返すため、ホワイトニングへの相乗効果に期待がもてるのです。
クリニックか自宅か!自分に合うスタイルを見付ける
家で行うホワイトニングの方法であるホームホワイトニングでは、クリニックで処方された薬剤を使用して白い歯を目指します。はじめにクリニックで歯科医師により個々の歯の形状に合ったマウスピースを作ってもらいます。そして、その後は薬剤を処方してもらうだけで、自分で気軽にホワイトニングを行うことが可能となるのです。具体的なホワイトニングの流れは、処方してもらった薬をマウスピースに塗り、口内に装着するだけという簡単なものになります。
また、オフィスホワイトニングを行う場合には、クリニックに行って施術やメンテナンスを受けるたびに、費用がかかることが一般的です。しかし、ホームホワイトニングであれば日常的なホワイトニングは自分で行うため、費用を抑えることができます。また、濃度の低い薬剤を使用してゆっくりと白い歯を目指していく方法のため、自然に白い色へと変えていくこともできるのです。低い濃度の薬剤を使用するということは刺激も、その分少なくなるため、知覚過敏などのリスクが低くなるというメリットもあります。
「費用と時間をかけて早い効果を求める」「費用とリスクを抑えじっくり歯を白くする」など、希望するスタイルは個々で異なることでしょう。そのため、それぞれの方法の特徴を知り、自分に合ったスタイルを見つけるようにしましょう。
綺麗になった歯を保つために実践するべきこと
ホワイトニングにより綺麗になった白い歯を長持ちさせるためには、その後のケアも必要です。歯の黄ばみの原因となる着色しやすい飲食物をできるだけ口にしないように気をつけるようにしましょう。着色しやすいものとは、ソースなどの調味料やカレー、チョコレートといった食べ物、紅茶やコーヒー、紅茶、ワインなどポリフェノールやカテキンなどが含まれた飲み物などです。
また、ホワイトニングの薬剤によってエナメル質が脱灰し、知覚過敏の症状が出てしまうこともあります。通常であれば、痛みの症状は時間の経過とともに和らぎますが、気になるようなら、エナメル質が配合された歯磨きを使用するのもよいでしょう。