他の人の口臭がくさいと感じたときなど、自分にも口臭があるのではと気になった人も多いことでしょう。自分では気付きにくく、家族などに指摘されて初めて自覚することが多いのが口臭の特徴です。口臭の定期的なチェックができれば、恥ずかしい思いをすることもなくなるでしょう。そこで今回は、自分で口臭をチェックできる方法や防ぐ方法などを紹介していきます。
口臭が気になる理由とは？
口臭は自分では気が付きにくいので、気になります。自分の口臭がくさくて周りの人から会話することを避けられているのでは、と悩む人も多いです。口臭を気にし過ぎて周りの人の反応に敏感になり、対人恐怖症になってしまう人までいます。気になっても自分の口臭の有無がわかりにくいのは、人間の感覚である「嗅覚」に「順応反応」があるためです。ある匂いを嗅いでも5分間くらいで慣れてしまう反応を「順応反応」といい、新しい匂いに気が付くことができるための人間の重要な感覚機能とされています。人間の口と鼻はのどの奥でつながっているので、鼻の中にある匂いを感じる神経は常に自分の口臭を感じている状態です。常に自分の口臭を嗅いでいるので、口臭に「順応」して匂いを感じなくなっています。
他人の口臭が気になっても、言われた人の気持ちを思うと「口臭がくさい」と本人には伝えにくいものです。同様に、自分の口臭の有無を他人に問うのにも勇気が必要なことでしょう。自分では気付きにくい状態で他人に不快感を与えているのではと心配になるのが、口臭の厄介なところだと言えます。
口臭のチェックをしてみよう！
口臭の有無は、他人に自分が吐いた息の匂いを嗅いでもらって判断するのが確実です。しかし、もし「くさい」と言われた場合に傷つくのも嫌だという人も多いことでしょう。そこで、自分でできる口臭チェック方法をいくつか紹介します。まず「自分の息をコップに吐き匂いをチェックする方法」です。コップに自分の息を吐いた後に一旦フタをして、深呼吸をしてからコップの中の匂いを嗅いでみましょう。コップの中が匂うようであれば、口臭があると考えられます。コップの代わりに袋を利用する場合には、袋自体の匂いがなくサイズが小さめのものがおすすめです。
「唾液の匂いを嗅いでみる方法」もあります。犬や猫になめられた手などが匂った経験がある人もいることでしょう。同じ要領で自分の手をなめた後に、その手の匂いを嗅いでみます。寝て起きた直後の口臭が一番匂うという感覚を持っている人が多くいますが、この方法であれば、睡眠直後でも実行可能です。また、この方法で嗅いでみた匂いは、周りの人が感じている自分の口臭に似ているとされています。それから「使用後のデンタルフロスや歯間ブラシの匂いを嗅いでみる方法」も挙げられます。虫歯や歯間にたまっている歯垢が口臭のもとになっている場合は、気になる匂いがすることでしょう。歯ブラシで歯磨きするだけで、デンタルフロスなどを使用する習慣のない人でも、時間のとれるときに試してみることをおすすめします。
口臭の種類には何がある？
気になる口臭は、発生させる原因によって匂いが違ってきます。原因によって口臭を予防する方法も違ってくるので、口臭の有無だけでなく、匂いの嗅ぎ分けもしてみましょう。卵の腐ったような「腐敗臭」は、細菌が出すガスが原因です。特に歯周ポケットの中にたまっている歯垢を歯周病菌が分解して出す臭いは、強い匂いになります。「血生臭い匂い」がするのも歯周病が原因です。歯周病が進行して、歯周ポケットに血液や膿がたまるようになると、血生臭い匂いがするようになります。歯周病は、末期では歯が抜け落ちてしまう病気です。
「ドブのような匂い」は舌の汚れが原因になっています。舌の白くなっている部分は「舌苔」と呼ばれ、食べかすや細菌が舌表面に付着した汚れです。トイレの「アンモニアのような匂い」は、肝臓や腎臓の病気が原因になっている可能性があります。体内でタンパク質が分解されるとアンモニアが発生し、そのアンモニアは肝臓や腎臓の働きで尿の中に排泄される仕組みです。肝臓や腎臓の働きが悪くなると、アンモニアが肺を経由して吐き出す息に含まれるようになってしまいます。
「オナラのような匂い」は、胃などの消化器系の内臓の病気が原因だと考えて良いでしょう。食べ物を分解したときに発生した成分が消化されずに血液に溶け込んで肺まで到達し、肺から息の匂いとして排出されます。このような匂いがする場合は、口臭も気になりますが、内臓の治療を優先したほうが良いでしょう。
口臭を防ぐ習慣！歯磨きを丁寧に
内臓の治療が必要な場合もありますが、口臭の多くは歯磨きを丁寧にして口の中を清潔に保つことで予防できます。虫歯や歯周病を予防することにもつながるので、一時的な大掃除ではなく、習慣にすることが重要です。まず、毎食後の丁寧な歯磨きは、基本的で大切な口臭予防方法です。特に歯垢がたまりやすい歯と歯の間・歯と歯茎の境目などは良く磨くようにしましょう。このような部分をきれいにするには、歯間ブラシやデンタルフロスの使用がおすすめです。歯ブラシの届きにくい奥歯のかみ合わせ部分も歯垢がたまりやすいので、注意したいところです。
舌の汚れである「舌苔」の除去も、良い口臭予防方法です。人によって舌苔が付着している部分は違うので、鏡を見ながら歯ブラシや舌ブラシで優しくこするように除去しましょう。一度で除去しきれない場合は、無理せず複数回にわけて行います。歯ブラシやデンタルフロスなどで口の中をきれいにした後で、仕上げにマウスウォッシュやデンタルリンスを使うと口臭予防になります。寝ている間は口の中で細菌が増えやすくなるので、殺菌剤が含まれているマウスウォッシュを寝る前に使うと良いでしょう。
それでも口臭が気になる時は？
これまでに挙げた対策を実践しても口臭が気になるという場合は、口臭外来のある口腔外科や歯科医院への受診をしてみましょう。口臭に関する専門家であれば、自分では気付いていない原因や対策方法をアドバイスしてもらえる可能性が高くなります。その他に、口臭予防を目的として開発されたサプリメントを摂取してみる方法もあります。たくさんのサプリメントがあるので、実際に利用してみた人の感想などを参考にして選んでも良いでしょう。
