白い歯は笑顔を魅力的に見せてくれ、美しさや若さの象徴でもあります。そのため、最近は歯のホワイトニングをする人も増えてきました。ホワイトニングには種類があり、歯科医院で施術を受けるオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングに大きく分けられます。自分のペースで行えるホームホワイトニングは価格も手ごろなことから人気が高いですが、やはり色戻りはしてしまうためメンテナンスは欠かせません。せっかく歯を白くしたのだから、少しでもきれいな状態をキープしたいものです。そこで今回は、ホームホワイトニング後に気をつけたい食べ物や歯磨きの仕方について紹介します。
ステイン汚れがつきやすい食べ物とは?
歯の表面は、たんぱく質由来のペリクルという、とても薄い膜で覆われています。しかし、ホームホワイトニングをした後はこのペリクルがはがれ落ち、再生するまでには24~48時間かかります。この間は歯に色がつきやすくなるため、カレーやケチャップ料理など服についたときにシミになる食べ物は避けることが無難です。ペリクル自体も色がつきやすい性質であるため、歯を白く保つにはケアや注意が必要不可欠です。
ステイン汚れがつきやすい食べ物には、チョコレートや赤ワイン、コーヒー、紅茶などの飲み物が挙げられます。日頃から口にするものが多く、うっかり食べてしまうこともあるでしょう。その場合は、できるだけ早く歯磨きをしてください。歯磨きが無理な場合は、うがいや水を飲むといったことでもある程度、着色を防ぐことができます。
色の濃いコーヒーや紅茶をどうしても飲みたいときは、ストローなどを使ってなるべく歯の表面に液体が触れないように飲みましょう。牛乳を食前に飲んでおくと歯をコーティングしてくれるといわれているため、色の濃い食事をする際にはおすすめです。
ホワイトニング後に避けたほうがよい食品は?
ホワイトニング後に避けたい食品には、まず「唾液に色がつく調味料」が挙げられます。色の濃いものは唾液にも色がつきやすく、たとえば味噌・醤油・ソースなどが代表的です。焼き肉のタレやドレッシングといった、あらかじめ調合された調味料は使われている材料や食材がわかりにくいため、なるべく使用を控えたいところです。
次に、「ポリフェノールやアントシアニンといった栄養素を含む食品」です。これらは、ブルーベリー・ブドウ・イチゴといった果物、赤ワイン・ココア・チョコレートなどの嗜好品に多く含まれています。健康によいとされ積極的に摂取している人も多いでしょうが、ホワイトニング後は控えましょう。一般的に、これらは着色汚れが最もつきやすい食品群です。
さらに、「タンニンやカテキンの多い飲み物」も注意が必要です。ウーロン茶・ほうじ茶・緑茶には、ポリフェノールの一種タンニンが含まれています。コップに茶渋がつくことから想像できるように、歯に着色しやすい成分なのです。意外な食品としては、豆腐や納豆・豆乳といった大豆製品でしょう。見た目が白っぽいため、ステインがつくといったイメージがありません。しかし、これらに含まれるイソフラボンもポリフェノールの仲間であり、色素沈着を起こしやすいのです。
そして、一番警戒すべきなのが「酸性食品」です。酸は歯の表面を溶かす作用が大きいため、ペリクルが剥がれ落ちた状態では歯に大きなダメージを与えてしまいます。酢を使った料理、炭酸飲料やレモン、マヨネーズやマスタード入りのドレッシングは避けるようにしましょう。
食後歯磨きをするタイミングは?
食後に歯磨きをするベストなタイミングとはいつでしょうか。これについては諸説あるものの、歯が健康な状態なのなら食事が終わってすぐに歯磨きをしたほうが、虫歯や口臭予防に最適といえるでしょう。ただし、食後は口の中が食べ物によって酸化し、エナメル質が溶け出しやすい環境になっています。このときに、力任せにゴシゴシと歯磨きをすれば歯の表面を傷つけ、知覚過敏などの原因になることもあります。これはホワイトニング後にもいえることです。歯が荒れている状態での歯磨きは、唾液による再石灰化がなされる食後30分~1時間を目安にするとよいでしょう。また、食後にうがいをしたり水や麦茶といった甘みのない飲み物を飲むと、口内の酸化時間を減らすことができるため、虫歯予防にも効果的です。
白さを保つ歯磨き粉の選び方
ホワイトニング後は歯磨き粉選びにもこだわりたいところ。白さを継続させるには、日々の歯磨きが最も大切です。ホワイトニング歯磨き粉を選ぶポイントとして、まず着色汚れに有効な成分が入っているか、その種類や含有量もチェックしましょう。
「ポリリン酸ナトリウム」は、汚れやステインを落とす効果と同時に、歯をコーティングして汚れにくくする働きもあります。研磨剤で歯の表面が傷つきステインがつきやすくなった状態でも、ポリリン酸ナトリウム入りの歯磨き粉を継続して使うことで、歯垢がつきにくくなりきれいな歯をキープできるようになります。
ハイドロキシアパタイトは、もとから着色がつきにくい歯にしたい人におすすめ。エナメル質に近い性質で、歯の表面をなめらかにしてくれます。この他にも、ポリエチレングリコールやポリアスパラギン酸などが美白成分として有名です。フッ素やリンゴ酸が配合された歯磨き粉は虫歯予防におすすめです。美白には直結しませんが、歯を丈夫にして虫歯になりにくくすることで着色しにくい健康な歯へと導きます。
歯磨き粉はどのような種類でも、研磨剤や発泡剤(ダウリル硫酸ナトリウム)が少ないものを使いましょう。研磨剤はより白くなるイメージがありますが、磨き方によっては歯を傷つけてしまい、着色汚れを悪化させます。また、発泡剤は泡立ち過ぎると歯を見て磨くことができないうえ、清涼剤などですっきりすると磨いた気になるためおすすめできません。隅々までしっかりと磨くには、なるべくこれらが配合されていないものを選びましょう。
効果的な歯磨きの方法とは
最後に、ホワイトニング効果を半減させないために次のようなことに気をつけましょう。マウスピースの装着前はしっかりと歯磨きをすることは当然ですが、マウスピースを外した後も念入りに口をすすぐことが大切です。薬剤が歯に残っていると汚れがつきやすくなります。薬剤が残って気持ちが悪いときは、歯ブラシで軽く磨いてもよいです。くれぐれも、力を入れて磨かないようにしましょう。
ホワイトニング後はすぐに飲食をしないことも重要です。一時的に歯にダメージが残っているため、色が入りやすくなっています。30分から1時間は飲食を控え、ステインがつきやすい食べ物を食べた後は、すぐに口をすすぐ習慣を身につけましょう。