「ひょっとして、私ってワキガ?」そんなドキッとした経験がある人も多いのではないでしょうか。ワキガの臭いは独特で、すれ違うだけでも分かってしまう強い臭いです。いくら仲のいい友達だとしても「ワキガだよ」とは言いにくいでしょう。実は、ワキガかどうかは耳垢で簡単にセルフチェックをすることができます。ここでは、ワキガのチェック方法と対策について紹介します。
ワキガの原因は?アポクリン汗腺の存在
ワキガの原因と考えられている、アポクリン汗腺との関係性について紹介します。ワキガの直接的な原因になるのは、アポクリン汗腺です。汗腺のタイプは、アポクリン汗腺とエクリン腺の2つがあります。エクリン腺から分泌される汗は水分を多く含んでいて、サラサラとしています。一方、アポクリン汗腺からの分泌物は、脂質やアンモニアなどを多く含み、臭いが強いのが特徴です。このアポクリン汗腺からの分泌液が、ワキガの原因となるのです。アポクリン汗が水分の多いエクリン汗と一緒になって広がっていきます。そして、皮膚にある雑菌と混ざり合った腐敗臭がワキガの強い臭いのもとになるのです。
アポクリン汗腺の数や汗の量が多いと強烈な臭いを発します。アポクリン汗腺の数は、人によって多かったり少なかったり、もしくは全くなかったりしますが、生まれつき決まっていて増えることはありません。もし、最近ワキガが気になるようになったのであれば、それは何らかの原因でアポクリン汗腺が活発になっていると考えられます。このアポクリン汗腺が、耳垢とワキガの関係に深く関わっているのです。
耳垢とワキガの関係性とは
耳垢とワキガは、体の中でも離れた場所に位置し、あまり関係がないように思う人も多いでしょう。しかし、耳垢とワキガには密接な関係があるのです。ワキガの原因となるアポクリン汗腺は、脇の下や耳に多くあります。従って、ワキガ体質の人は脇と同じように耳の中のアポクリン汗腺が多い傾向にあります。そのため、耳垢の状態をチェックすれば、ワキガかどうかも確認することができるのです。耳垢が湿っているからといって必ずしもワキガであるとは言い切れませんが、その傾向が強くなります。ワキガの治療や対策が必要であることの目安にすることができます。
ワキガ体質の人の耳垢の特徴は、耳垢が湿っていることです。飴のように粘ついていたり、黄褐色になっていたりする場合は、ワキガの可能性が高くなります。耳掃除をするときに、綿棒を使ってみると分かりやすいでしょう。べったりと耳垢が綿棒についたり、耳掃除後の綿棒が湿っていたりする場合は高確率でワキガであるといえます。逆に、綿棒でとれないようなカサカサとした耳垢であれば、ワキガである可能性は低いでしょう。簡単にできる耳垢でのワキガチェックですが、注意点もあります。
耳垢をチェックする!注意点とは
ワキガの耳垢の特徴が分かったところで、耳垢をセルフチェックしてみましょう。耳垢の状態を正確にチェックするために、注意しなければならないことがあります。それは、耳に水分を含んでいるときはチェックを避けることです。運動後やお風呂上がりは水分が耳に入っていることがあるので判断が難しくなります。また、緊張しているときや暑いときも汗をかくので避ける必要があります。耳垢のチェックは、普段の生活のなかでリラックスした状態で行うようにしましょう。
耳掃除自体は頻回に行う必要はありませんが、ワキガの人はアポクリン汗腺からの分泌があるため、毎日耳掃除をしていても水分を含んだ耳垢が出るといわれています。そのため、小まめに耳掃除をして耳垢を観察してみると、より分かりやすいでしょう。耳にはアポクリン汗腺が多いので耳垢で気軽にチェックすることができますが、耳垢の他にも自分がワキガかどうかチェックする方法があります。
他にもある!自分がワキガかどうか見極める方法
耳垢をチェックする以外にも自分がワキガかどうか見極める方法がいくつかあります。1つ目は、体毛が濃いことです。アポクリン汗腺は毛根につくため、毛深い人ほどアポクリン汗腺が多くなります。また、体毛が多いと雑菌も繁殖しやすいため、臭いが強くなる傾向があります。2つ目は、親がワキガである場合です。アポクリン汗腺の数は遺伝します。よって、ワキガも遺伝することになるのです。3つ目は、脱いだ靴や靴下が臭いと感じる場合です。足の裏にはエクリン腺が多く、蒸れて雑菌が繁殖しやすくなっています。足の裏は多汗症の症状がでやすい部分なので注意が必要です。4つ目は、汗染みが黄色いときです。多くの汗染みは洗濯をすれば落ちますが、アポクリン汗腺から分泌される汗にはタンパク質や脂質が多く含まれていて、洗濯をしてもなかなか落ちません。洗濯して落としきれなかった成分が酸化することによって黄色い染みへと変化していくのです。
また、生活習慣の乱れもワキガに関係しています。タバコを吸ったり、お酒をよく飲んだりすると汗腺が活発になります。また、ストレスが多い場合も、汗の量が増えるので臭いの原因になりかねません。「ワキガかもしれない」と気にしすぎることもストレスになり、結果的にアポクリン汗の分泌を増やしてしまうこともあるのです。
ワキガの対策方法が知りたい!
もし自分がワキガだと分かったら、早めに対策をとることで周囲に気付かれずに改善ができるかもしれません。ワキガの対策方法としては、まず、汗の量を増やす刺激物の摂取を抑えることです。辛い物やスパイスの使用は控えましょう。また、タバコやお酒も刺激物と同じく発汗作用があるので注意が必要です。ワキガを気にしすぎたり、ストレスをためたりすることも発汗を促すことになります。ストレスをためこみすぎず、生活習慣を正すこともワキガ対策になるのです。
ワキガの根本的な解決を目指すのであれば、アポクリン汗腺をレーザーで焼き切る方法もあります。アポクリン汗腺を破壊するので再発することもなく、汗の量も減らすことが可能です。レーザー治療は高額ですが、手術と違って切らないので傷跡も目立ちません。ワキガの臭いを抑えるには、体を清潔に保つことも大切です。アポクリン汗腺から出た汗と皮膚の常在菌が混じり合うことで、強烈な臭いを放ちます。つまり、汗が出てすぐには強い臭いが出ることはありません。こまめに拭き取ることで臭いを抑えることができるのです。