ワキガが気になる人は、半袖やノースリーブの服が着にくくなり、年中ファッションが制限されてしまいがちです。また、強いコンプレックスに悩んでいる人も少なくないでしょう。解決法として、「脱毛をすればワキガは治る」との意見もあります。この記事では、本当に脱毛をすればワキガが治せるのかどうかを解説していきます。
目次
脱毛するとワキガが治るの？
結論から書けば、脇脱毛をしてもワキガが治るわけではありません。なぜなら、ワキガの原因は毛にはないからです。ワキガは脇の下にある汗腺類と関係しています。正しい原因については諸説ありますが、汗腺に侵入した雑菌が汗と混ざり合って臭いを放つようになるからだといわれています。暴飲暴食やストレスなどによって汗腺が刺激されると、ワキガもまた強まるのが特徴です。つまり、脱毛によって毛をきれいにしても、汗腺がある限りワキガを完全にカバーすることはできません。脇脱毛はあくまで脇を脱毛するための方法であり、ワキガ対策にはなりにくいと覚えておきましょう。
ただし、「ワキガを抑える」という意味では、脇脱毛も役立つケースはあります。ワキガは汗の量が多いほど、臭いが強まるのが特徴です。汗にはアンモニアや尿素が含まれており、ワキガの原因となる雑菌に反応して刺激臭を放つからです。そのため、脇毛に汗がたまるとワキガが周囲に気づかれやすくなってしまいます。しかし、毛がなくなれば脇を衛生的に保ちやすくなり、ワキガは弱まります。脇脱毛でワキガは治らなくても、エチケットやコンプレックス解消としては試してみる価値があるでしょう。
ワキガの治療と脇脱毛！一緒にできる？
正しい治療を受ければ、ワキガのコントロールは可能です。ワキガの治療法では、ボトックスを使用する方法とレーザーで汗腺を焼き切る方法が代表的です。ボトックスとはボツリヌス菌から抽出できるタンパク質であり、汗腺に影響するアセチルコリンの分泌量を抑えてくれます。ただし、ボトックス治療はワキガの臭いを弱くするための方法なので、ワキガの原因を絶ちたいのであればレーザー治療が向いています。
ただし、ワキガ治療で問題になるのは「脇脱毛との同時進行」です。脱毛は光脱毛で行われることが多くなっており、痛みなどの副作用は軽減されるようになりました。しかし、それでも光脱毛とワキガの治療を同時期に行うのは危険です。レーザーやボトックスの治療は肌に大きな負担をかける傾向があります。そこに光脱毛を行うとさらに刺激が強くなってしまいます。光脱毛は細胞を破壊する施術なので、すでに痛んだ皮膚に行うのは得策といえません。そのほか、脱毛にはワックスやニードルを使う方法もありますが、いずれも肌へのダメージは残るため、やはりワキガ治療と同時期には行わない方がいいでしょう。
ワキガの治療と脱毛！どっちを優先すべき？
同時期が無理な以上、ワキガ治療と脇脱毛をどちらも行いたいなら、順番を選ぶ必要があります。ただし、どちらを優先するのかは個人の価値観によって変わります。自分にとってより深刻な問題になっている方から治療を開始しましょう。
たとえば、ワキガの症状が重症な人は先にワキガの治療をするのが得策です。放置しておくとワキガは大きなコンプレックスになりますし、臭いが気になって人間関係に支障をきたす場合もあります。「ワキガがある状態で脇脱毛に通いたくない」という人も、ワキガ治療を優先するとストレスは少なくなるでしょう。それに、脇毛はシェーバーなどで剃っておけば短期間なら誤魔化せます。後回しにしても大きなデメリットにはならないとの考え方も可能です。
一方、ワキガの症状が軽度な人は先に脱毛をしてみてもいいでしょう。ワキガは脱毛によって程度が軽減されるときもあります。脱毛をしたうえで、しばらく臭いがどうなるか様子を見てみるのも選択肢のひとつです。もしも気にならないレベルにまでワキガが抑えられたなら、ワキガ治療にかかる費用も節約できます。
脱毛期間中の脇のケア！どうするのが正解？
肌が敏感になる脱毛期間中はデオドラント製品の使用を控えるのが賢明です。なぜなら、塩化アルミニウムなどデオドラント製品に含まれる成分は肌への刺激が強く、腫れやかゆみを引き起こす危険性があるからです。ふだんはあまり意識せずにデオドラント製品を使っていた人も、脱毛のダメージが残っている間は使用には慎重になりましょう。ただし、ワキガにも悩んでいる人はデオドラント製品がないと不安を覚えるものです。デオドラント製品の中でもミョウバンを主成分とした刺激が少ないタイプは注意書きに「脱毛期間中も使用できる」と記載されている場合もあります。まずは少しだけ使ってみて、影響がないようなら継続してもいいでしょう。
それでも、念のために施術を受けて数日間はデオドラント製品の使用を避けるようにします。デオドラント製品とあわせて、日常的に脇をケアすればある程度は臭いを軽くすることも可能です。小まめに脇の下を拭くなどして、脇を衛生的に保つようにしましょう。また、そもそも汗をかかないように外出を控えたり、室内の温度を調整したりする意識も大切です。
ワキガを自分でケア！デオドラントアイテムを紹介
ワキガが気になるなら、ケアするアイテムや方法を押さえておきましょう。まず、デオドラント製品として制汗剤は用意しておきたいところです。スプレータイプやロールオンタイプ、クリームタイプなどから肌への刺激が弱いものを選びましょう。また、制汗剤の成分と体質には相性があるので、あらかじめ自分の体に合った成分を覚えておくと便利です。制汗剤よりも肌へのダメージが少ないアイテムが汗ふきシートです。かいた汗を肌から拭き取り臭いを防ぐ作用があります。汗の量が多くなればワキガが強くなる可能性も上がるので、外出時にも汗ふきシートは常備しておきましょう。
そのほか、食生活を工夫するとワキガを抑えられることもあります。たとえば、スパイスや肉類といった刺激物は食べ過ぎないように心がけます。これらの食材は汗腺を刺激させる性質があるからです。そして、アルコールもほどほどにして、刺激物を中和させるために水分を多く摂取するようにしましょう。ワキガの状態は体調と密接な関係があります。健全な食生活や習慣を身につければ、ワキガの悪化をある程度防ぐこともできます。
