人は自分の体臭には鈍感なので、たとえワキガであっても気付かない場合が多々あります。臭いに気付いたとしても、「ワキガなのか」「汗の臭いなのか」を客観的に判断するのは難しいでしょう。しかし、ワキガであることを自覚してきちんと対策をとれば、臭いを改善することは可能です。そこで、ワキガが自覚しにくい理由や、ワキガが発覚した場合の対処法などを紹介します。
症状について理解している？ワキガとは
年齢や性別に関係なく、人はそれぞれに体臭を発しているものです。ただし、体臭の強さには個人差があり、体臭がきつい人もいれば、ほとんど臭いがしない人もいます。特に脇を中心に特殊な臭いを発している人は、ワキガ体質と呼ばれることもあります。ワキガの臭いが発生する主な原因は汗です。人の汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺の2種類があります。エクリン腺から分泌される汗は水分と塩分でできているため、ほとんど臭いはしません。一方、アポクリン腺から分泌される汗には、水分だけでなく脂質やタンパク質、アンモニアなどの成分が含まれています。これらの成分を、肌の表面に存在する皮膚常在菌が分解する過程で、独特の臭いが発生してしまうのです。さらに、アポクリン腺から出た汗に、エクリン腺から分泌された汗や皮脂が混ざるのも、臭いが強くなる原因です。しかも、汗が蒸発する際に臭いも一緒に拡散してしまい、脇だけでなく全身が臭っているように感じられます。
ワキガは生まれつきの体質や生活習慣が影響するため、家族や仕事仲間にワキガ体質の人がいても伝染することはありません。ただし、ワキガ体質は遺伝する場合が多く、両親のどちらかがワキガ体質だと、50％の確率で子どももワキガ体質になるといわれています。両親がどちらもワキガ体質だと、さらに確率が上がり80％の確率で遺伝します。早ければ小学生から発症する人もいますが、思春期ごろから症状が現れはじめる人が多い傾向です。また、運動不足だったり、ストレスや生活習慣の乱れによりホルモンバランスが崩れたりすると、ワキガの臭いが強くなる傾向があります。
ワキガの症状を自覚しにくいのはなぜ？
ワキガは自覚するのが難しいといわれています。特に軽度のワキガ体質だと臭いが弱く、自分でワキガの臭いを感じることができないことがあります。また、ある程度症状が重かったとしても、ずっとワキガの臭いをかぎ続けていると、臭いを自覚できなくなってしまうのです。たとえば、ワキガに限らず、強い香水の臭いや食べ物の臭いがしても、しばらくかいでいると慣れてしまいます。このように、一定の時間同じ臭いをかいでいると臭いに慣れてしまう現象を嗅覚疲労と呼びます。
ただし、一度嗅覚疲労を起こしても、臭いから離れれば再び嗅覚は回復します。ところが、ワキガ体質の場合は常に同じ臭いがしているので、疲労してしまった嗅覚が回復することもありません。しかも、本人だけでなく一緒に生活している家族まで嗅覚疲労を起こしてしまうと、ワキガであることを指摘してくれる人もいなくなってしまいます。すると、ますます自覚するのが難しくなるという悪循環におちいってしまうのです。
また、ワキガの臭いを体臭だと思い込んでいる人もいます。臭いがすることは自覚していても、ワキガだとは気付いていないのです。臭いの感じ方には個人差があり、ワキガの臭いを不快に感じない人もいます。もともと嗅覚が鈍い人や、鼻炎や加齢の影響で臭いを感じにくい人は、そもそもワキガの臭いを認識できません。さらに、体臭の問題は非常にデリケートで、本人に面と向かって指摘しにくいという点も、ワキガが自覚できなくなってしまう要因のひとつです。
もしかしてワキガ？症状を解説
ワキガを自覚するためには、まずワキガの症状を正しく知ったうえで、自分自身に思い当たる症状がないかチェックすることが重要です。ワキガの主な原因はアポクリン腺から分泌される汗ですが、ワキガ臭は普通の汗の臭いとは明らかに異なる独特の臭いがします。ワキガ臭は、よく鉛筆の芯やカレーのスパイス、クミンなどに臭いに例えられます。また、香辛料のような刺激臭だけでなく、ツンとした酸っぱい臭いがするのも特徴です。重度のワキガになると、使い古した雑巾や腐ったミルク、納豆に似た臭いがすることもあります。
ただし、ワキガの臭いに慣れてしまっていると、洋服についた汗や自分の脇の臭いを直接かいでも、よく分からない可能性があります。そのような場合は、臭いだけでなく汗そのものの状態にも注目しましょう。季節や気温に関係なく、肌がベタベタするような粘り気のある汗が出ていたら、それはアポクリン腺から分泌された汗です。さらに、洋服の襟元や脇の下など、汗をかきやすい部分が黄ばんでいたら、ワキガの可能性が高いです。アポクリン腺から出る汗にはタンパク質や脂質などが含まれているため、布地を黄ばませたり、シミになったりしやすい性質があります。
ちなみに、汗をかきやすい人が必ずしもワキガ体質とは限りません。運動をしたときに出る汗や、体温調節のために分泌される汗はエクリン腺から出ているので、ほとんど臭いがしません。むしろ運動をほとんどしない人や、代謝が悪く汗をほとんどかかない人ほど、汗の臭いが強くなる傾向があります。
ワキガを改善するにはどうすればいいの？
軽度のワキガであれば、脇毛を剃ったり汗をこまめに拭いたりするだけでも改善されます。しかし、重度のワキガはレーザーにより汗腺を焼き切ったり、手術により汗腺を取り除いたりしないと治療ができない場合もあります。手術をすれば高い効率で汗腺を切除できますが、アポクリン線が残ってしまうケースもあり、確実に治るとは言いきれません。肉などの動物性の食べ物を摂らないことで体臭を抑える方法もありますが、即効性はなく、効果にも個人差があります。
そこで、体を傷つけるリスクがなく、即効性の高い方法として挙げられるのが、ワキガ用のデオドラント剤です。特に「チュラリア」のようなクリームタイプのデオドラント剤は肌への密着力が高く、こまめに塗り直す必要がありません。汗をかきやすい人や外出先で塗り直すのが難しい人にもおすすめです。チュラリアに配合されているフェノールスルホン酸亜鉛には、汗を抑える作用があるので、制汗剤としての効果も期待できます。さらに、シメン5オールが皮膚の表面についた雑菌を殺菌・分解するので、ワキガ臭の予防にも効果的です。そのほかにも4種類の天然成分を配合したチュラリアは肌に優しく、肌がデリケートな子どもや敏感肌の人も安心して使えます。
