ある日突然、首に小さなブツブツをみつけてショックを受けることもあるでしょう。特に肌が露出しているところに複数できていると、気になるものです。なるべく副作用がなく、手軽にイボをケアする方法を探しているなら、ヨクイニンという成分に注目してみてはいかがでしょうか?今回は、首などにできたイボのケアに効果的といわれているヨクイニンについて詳しく解説していきます。
ヨクイニンとはどんな成分?
顔や首のイボ、少しでも目立たないようにしたい人はヨクイニンに注目です。ヨクイニンはハトムギに多く含まれている成分です。ハトムギはお茶などでもおなじみなので、名前は聞いたことがある人も多いでしょう。ハトムギは中国から日本に伝わりました。原産地は中国南部やインドシナ半島で、イネ科ジュズダマ属の植物です。成長すると1メートル以上の高さになります。日本では薬草として広く用いられるようになり、各地で栽培が始まったといわれています。もともとは、ヨクイ、朝鮮麦、唐麦などと呼ばれていましたが、明治時代以降はハトムギという名前で定着しました。子どもがハトムギの種子を材料にしてお手玉を作ったり、黒褐色に光っていることから首飾りを作ったりして遊びにも使われていました。子どもにも、とても身近な植物だったのではないでしょうか。なぜ、ハトムギという名前で呼ばれるようになったかというと、鳩がよく食べていたことに由来しているといわれています。ハトムギの「ハト」は「鳩」をかけたものだったのです。
ハトムギそのものがヨクイニンの素なのですが、さまざまな方法で民間療法で利用されています。たとえば、ハトムギの殻を取り除き乾燥させたものはヨクイニンという生薬としておなじみです。ヨクイニンは体内にたまった水分を排出してくれる効果が期待できるため、むくみなどの緩和に用いられています。また、利尿作用があることから、新陳代謝を活性化させて体の中の毒素を排出してくれるといわれているのです。そのため、美肌にもよいとされ化粧品などにも含まれていることがあります。胃もたれなどの胃腸の不調にも用いられています。さらに、栄養成分も豊富で白米の2倍以上のたんぱく質、8倍の食物繊維を含んでいるのです。カルシウムや鉄分、ビタミンB1、B2なども豊富に含まれており、健康な体を保つためには積極的に摂りたい食材といえるでしょう。
ヨクイニンが持つ驚きの効果
ハトムギに含まれるヨクイニンは栄養面に優れているだけでなく、さまざまな成分が含まれています。その中で、イボが気になる人にとってありがたい成分がたくさんあるので注目してみましょう。「コイクセラノイド」と呼ばれる成分はたんぱく質の一種で、体の新陳代謝を促進させる効果が期待でき肌のターンオーバーを活性化させます。また、腫瘍をとるといわれているのも「コイクセラノイド」の働きが大きく関係しているようです。そのため、イボなどのできものに対しても、ある程度の効果が期待できるでしょう。「コイクセラノイド」はイボの治療薬にも含まれている成分です。
「パルミチン酸」は、ビタミンAを安定化させて、気になるシワやニキビなどの吹き出物を減らすといわれています。「ミリスチン酸」は、身体の中で機能するホルモンの分泌や細胞膜を保護してくれるのが特徴です。そのため、ガンの予防にもよいといわれていますし、免疫系のトラブルも予防します。さらに、抗腫瘍活性や抗酸化能をはじめとして、抗アレルギー作用や抗高脂血症作用、抗炎症作用、利尿作用など幅広い効果が期待できる成分です。ヨクイニンはイボを治療するだけでなく、吹き出物や免疫機能を保護するような働きが期待できます。
そのため、ヨクイニンを用いることはいいことずくめのようにみえます。しかし、ヨクイニンの成分で「すぐに直接イボがとれる」というわけではないので注意が必要です。ヨクイニンは漢方などでも用いられますが、あくまでも体の免疫力の向上を目的としています。体の免疫力が向上すれば、イボの原因のひとつと考えられているウイルスを弱めていくことが期待できるでしょう。即効性がないために、イボが少なくなったと感じるまでには、ある程度の時間をかける必要があるかもしれません。しかし、即効性は期待できなくても、ヨクイニンが多く含まれるハトムギは自然の食品です。そのため、痛みもなく手軽に活用できるのではないでしょうか。
ヨクイニンに副作用はある?
ハトムギは食品であり、身体によさそうな栄養成分が含まれています。顔や首のイボが気になるときは、ハトムギ茶を飲んでみようと考える人もいます。しかし、飲みすぎることで副作用はあるのでしょうか。ハトムギは民間療法で長い間利用されてきた漢方でもあります。そのため、基本的にはヨクイニンは毎日摂取したとしても、大きな副作用はそれほど心配しなくてもよいでしょう。ハトムギ茶は身近に手に入りますし、続けやすいです。試しに飲むことを習慣にしてみてはいかがでしょうか?少しずつイボが小さくなるかもしれません。
ヨクイニンを利用して顔や首にできたイボの治療をしてみたいと考えている人は、薬を試してみる方法があります。イボは一般的には、できたことがある人も比較的多い皮膚トラブルといえるでしょう。そのため、市販薬でも塗り薬、内服薬などがあるので薬剤師に相談して一度試してみるのもありでしょう。ヨクイニンの内服薬は青年製扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)と呼ばれるイボによく処方されます。しかし、イボといっても種類は多いので注意が必要です。効果が期待できないだけでなく、場合によっては副作用があるでしょう。体に発疹ができたり、肌にかゆみを伴ったりすることがあります。また、胃の不調や下痢などの症状があらわれる可能性もあります。そのため、市販薬だから大丈夫と安易に判断しないようにしましょう。
顔のイボはヨクイニンで取れる?
イボにはさまざまな種類があるので、顔や首にできてしまったイボの原因はひとつではありません。そのため、ヨクイニンがすべてのイボを解決してくれるわけではないことを覚えておきましょう。たとえば、手の指にできる尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、顔などにできやすいかゆみを伴う青年製扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)のようなイボがあります。これらのイボにはヨクイニンの有効性が期待できるでしょう。そのため、ハトムギを食生活に取り入れてようすをみる方法は有効といえます。
一方で、肌の老化によるイボなどにはヨクイニンの効果がほとんど期待できないでしょう。ヨクイニンですべてのイボの悩みが解決できないことがあるので、自己判断せずに医師に相談することが大切です。まず、イボの種類を特定することを忘れないようにしたいものです。