刺激を与えたわけでもないのに、気が付くとできている首イボ。年齢を重ねるとイボができるのは仕方ないと考えがちですが、首イボの原因は加齢だけではありません。かゆみを伴うときは、治療が必要な病気の可能性があるので注意が必要です。そこで今回は、首イボの種類やかゆみがひどいときの対処法について紹介していきます。
目次
首イボの症状と原因を確認しよう
医学的にはイボのことを疣贅(ゆうぜい)と呼び、皮膚の老化による「老人性のイボ」と、特定のウイルスに感染することでできる「ウイルス性のイボ」に分けられます。首イボのかゆみが気になる場合、原因を探る必要があるので、まずは「イボ」のことを知りましょう。
老人性のイボ(紫外線・加齢)
主に首にできるイボは「老人性疣贅」と呼ばれ、「スキンタッグ」と表現されることもあります。
老人性の首イボは「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」や「懸垂性線維腫(けんすいせいせんいしゅ)」などともいわれます。これは、年齢を重ねることで肌の新陳代謝が悪くなり、角化異常が起こることが原因です。
ウイルス性のイボ(ウイルス)
ウイルス性の首イボは年齢問わず現れます。ウイルスの種類によって症状は異なり、感染すると増殖したり大きくなったりするのが特徴です。イボの原因となるウイルスには、おもに「伝染性軟属腫ウイルス」と「ヒトパピローマウイルス」の2つがあります。
そしてウイルス性のイボは主に5種類あるので紹介します。
<ウイルス性のイボの種類>
・尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
子どもが感染しやすいウイルスのイボです。痛みやかゆみは感じませんが、放っておくと増殖するだけでなく、患部を触ることで二次感染を引き起こします。
・足底疣贅(そくていゆうぜい)
文字通り足の底(裏)にできるイボで、通常は肌と同じ色をしていて、皮膚の表面に黒くて小さな点ができることもあります。圧力を加えると痛みを感じることがあり、ひどい場合は歩行が困難になるため注意が必要です。
・伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくじゅ)
一般的に水イボと呼ばれています。感染力が強いため、直接触れなくてもお風呂やプールなどで感染する可能性があるイボです。直径数ミリ程度でツルツルしているイボができます。
・扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
若者にできることが多く、中年以降になるとほとんど発症することのないイボです。褐色で顔にできることが多いため、ニキビと間違われることが少なくありません。
・尖圭コンジローム(せんけいこんじろーむ)
主に外陰部や肛門部にできるイボで、性行為での感染が大半ですが、公衆浴場などで感染する場合もあります。
首イボがかゆい原因を知ろう
いくつかの種類があるイボですが、そもそもイボがかゆくなるケースはまれです。とくに首イボがかゆくなる場合、考えられる原因を確認しましょう。
アクセサリー
1つ目は衣類やアクセサリーによる摩擦です。首はほかの部分と比べると皮膚が薄く敏感な部分なので、衣類やアクセサリーが擦れて刺激を与えている可能性があります。
また金属アレルギーを起こしていることも考えられるため、首イボがかゆい場合は、しばらくアクセサリーを外してみてください。
乾燥や衣類による摩擦
冬など乾燥しているときは肌も乾燥しがちです。皮膚の薄い首はイボがなくても刺激を受けやすいので、スキンケアや外出の際は保湿をする必要があります。
またタートルネックを着用していると素材によっては、かゆくなることもあるので、服の素材をチェックし、自分の肌に合わないものを着ないようにします。
補足:悪性腫瘍ガン
まれに、体内に悪性腫瘍ガンがあり、腫瘍細胞が飛び火することで皮膚にイボを形成することがあります。イボ全体がかゆい、イボができるスピードが速いなどの特徴がある場合は注意が必要です。なかでも、皮膚ガンの初期の状態はイボやほくろと似ているため、放置してしまうことがあります。短期間のうちにイボが茶色や黒色に変色した場合、早急に医療機関を受診してください。
かゆい首イボを自宅でケアする方法
ついかきたくなってしまう首イボ。かゆみを感じたらかかずに、市販のかゆみ止めや炎症を抑える薬を塗ったり服用したりしてください。薬以外では次の対処方法を実践してみましょう。
冷やす
かゆみを感じたら、冷やしてかゆみを沈めるようにします。かゆい部分のみ効率よく冷やすには、水で濡らしたタオルや保冷剤を当てると良いでしょう。かゆい部分を冷やすことで皮膚の温度が下がり、かゆみを伝える知覚神経の活動を鈍らせることができます。広い範囲にかゆみがある場合は、(氷)水で濡らしたタオルのほうが広範囲を一度に冷やせるので効率的です。
ただし、冷やしすぎには注意が必要です。冷やした部分の毛細血管は狭くなっていて、冷やしすぎてしまうと毛細血管が戻るときに冷やす前よりも拡張することがあるためです。その結果、血流が良くなり、かゆみが増してしまう可能性があります。
摩擦をさせない
前述の通り、アクセサリーや衣類での摩擦は極力避けることをおすすめします。タートルネックのように首回りに常に摩擦を与えてしまうものは、首イボがかゆいときは避けた方が安心です。もし首に触れるものを身につける場合、素材は綿やシルクなど自分の肌が触れて心地よいものを選びましょう。
紫外線対策
夏場だけでなく1年中、紫外線の対策を忘れずにしてください。日焼け止めを使用するときは、顔だけでなく首元までしっかり塗るよう意識します。またかゆみがあり、化粧品を使うことができないときは、シルクのスカーフを巻くなどして紫外線を避けましょう。
日頃のスキンケア
かゆみが治まったら、日頃のケアとして保湿クリームやオイルで保湿をすることも大切です。乾燥することで刺激を受けやすくなり、かゆみを引き起こすことがあるので常に乾燥を防ぎましょう。
入浴後や顔に毎日のスキンケアをするときに、首元までしっかり保湿してください。その際、使用する保湿剤は、肌に刺激を与える成分が含まれていないものを選ぶことがポイントです。かゆみを感じている時点で、皮膚は刺激に敏感になっています。保存料や香料、着色料などの添加物が含まれていない保湿剤を使う方が安心でしょう。
首イボのかゆみがひどい場合は皮膚科へ
ひどいかゆみや数日経っても治まらない場合、できるだけ早いタイミングで皮膚科を受診したほうが安心です。イボが気になるからとハサミで自分で切るのは、ウイルスを広げたり、菌が入るので避け、病院での処置をおすすめします。
首イボの治療方法はいくつかあり、保険適用できることが多いので、確認してみてください。
液体窒素で冷凍療法での除去
液体窒素で冷凍凝固して除去するという方法は、イボに液体窒素をつけるため痛みを感じることがありますが、比較的安価で治療することが可能です。ただし、1度に除去できる数が限られているので、イボの数が多い場合は通院して何回かに分けて除去しなければいけません。
炭酸ガスレーザーでの除去
炭酸ガスレーザーを使用して、瞬時にイボを除去する方法は、1度に複数のイボを切除できるので、イボの数が多くなければ1回の通院で治療が可能です。ただし保険適用外のことが多いので、確認してください。
その他
かゆみを抑えたり、漢方などの飲み薬を処方されるほか、根治手術をすることもあります。医師や病院の方針によって治療は異なるので、希望を伝えながら治療方法を選択しましょう。
まとめ
かゆみのある首イボを自分でケアするためには、
・冷やす
・摩擦をさせない
・紫外線対策を忘れない
ことを守ります。
かゆみがおさまったら、首のイボをケアしていきましょう。おすすめなのは「わらびはだ」。角質のケアと保湿が同時にでき、毎日のスキンケアとして顔にも首にも使えるので試してみてはいかがでしょうか。