記事の監修者プロフィール
いなばクリニック 院長
耳鼻咽喉科・皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科、美容外科
稲葉 岳也(イナバ タケヤ)
背中にブツブツがあるために、好きな服や水着が着られないという人は少なくないのではないでしょうか。清潔にしているつもりでも、なかなか消えないものなので諦めている人もいるかもしれません。背中は顔や手と違ってケアしにくい部分ですが、気になるブツブツを解消して自信を持ちたいものです。実は、背中のブツブツにはいくつかの原因と対策があります。今回は、背中のブツブツの原因や対策について解説していきます。
目次
背中のブツブツの症状が長引く! カビには要注意
清潔にしているはずなのに、気が付くと背中にブツブツができていたということがあります。背中のブツブツの原因はいくつか考えられます。たとえば、「寝汗」です。背中には皮脂腺がたくさんあります。もともと皮脂の分泌が盛んな背中に寝汗をかくことで、蒸れてニキビに発展してしまうのです。人は寝ているあいだも汗をかくので、気が付かないうちに背中が蒸れていることもあります。また、「洗濯洗剤&柔軟剤」も原因のひとつです。洗濯洗剤と柔軟剤には界面活性剤が配合されていて、界面活性剤のおかげで汚れが落ちたり衣類がフワフワになったりします。ところが、すすぎが十分でないと界面活性剤が衣類に残ってしまい、肌に刺激を与えて肌荒れやニキビを引き起こしてしまうのです。
また、「シャンプーや整髪料」にも気をつけなければいけません。シャンプーの洗浄成分やリンス・トリートメントの成分、整髪料の付いた髪が背中に触れて成分が付着することも毛穴を詰まらせる原因となるのです。「日焼け」が原因でブツブツができることもあります。日焼けをすると皮膚が硬くなる性質があるため、角質も硬くなり毛穴が詰まりやすくなります。「乾燥」も原因のひとつです。肌は乾燥を感じると、うるおいを保とうとして皮脂の分泌が盛んになります。大量に皮脂が分泌されると毛穴が詰まりニキビができやすくなるというわけです。
背中のブツブツの症状が長く!カビには要注意
症状が長引く場合は「カビ」が原因というケースもあるでしょう。肌を清潔に保ち、保湿もきちんとしているのに症状が改善しないならカビが疑われます。原因として考えられるのは「マラセチア菌」という常在菌で、健康な肌であれば肌を弱酸性に保つ役割のある菌です。しかし、肌に汗や皮脂が多く残った状態になると増殖して、炎症を起こしてしまいます。マラセチア菌は、かゆみや痛みがなく肌に赤くて小さなブツブツがたくさんできるのが特徴です。広範囲にできることが多いので、チェックしてみましょう。
「黄色ブドウ球菌」という常在菌が毛穴の奥に入り込んで増殖し、炎症を起こすこともあります。黄色ブドウ球菌が原因の場合は、毛穴の周囲が赤く、表面に膿のたまったくぼみができるのが特徴です。一見、ニキビのようにも見えますが、表面がくぼんでいたら黄色ブドウ球菌が原因の可能性が高いでしょう。一般的なニキビは「アクネ菌」といわれる菌が主な原因です。アクネ菌によってできるニキビの場合は、毛穴の詰まった部分が赤く腫れ、白から黄色の膿がたまるのが特徴です。ただし、通常のニキビに何らかの原因で黄色ブドウ球菌が入り込むと、ニキビが悪化して跡が残ってしまうこともあるので気をつけましょう。
症状を改善するために!原因に合った対策を取ろう
症状を改善するために、それぞれの原因に合った対策をとりましょう。背中を清潔に保つことはもちろん、寝るときは通気性の良い下着やパジャマを着て、背中が蒸れないように注意します。特に、夏の暑い時期などは寝具も工夫してみましょう。洗濯をする際はすすぎの回数を増やすなど、洗剤や柔軟剤が衣類に残らないよう意識してみてください。界面活性剤が含まれていない洗剤を使用するのもひとつの手です。入浴時はシャンプーや整髪料を背中に残さないように、頭から洗うこともポイント。髪の長い人は洗髪後、髪をまとめてから身体などを洗います。なぜなら、いくら背中を綺麗に洗ってもリンスやトリートメント成分の残った髪が背中については意味がないからです。
また、手の届きにくい部分ではありますが、顔と同じように背中も保湿をします。油分が多い保湿剤は、かえってニキビを発生させる可能性があるので成分には注意しましょう。その際、摩擦や刺激を与えないことも大切です。それから、十分な睡眠をとることも忘れてはいけません。睡眠時間が足りなかったりバラバラになったりすると、ホルモンバランスが崩れてニキビができやすくなります。美しい肌の維持には十分な睡眠が欠かせません。そして、バランスのとれた食事を心がけます。肌に良いといわれているビタミン類だけでなく、健康な肌を作るタンパク質や腸内環境を整える食物繊維も必要です。
背中のブツブツを改善するには基礎化粧品は肌にあったものを選ぼう
背中のブツブツを改善するためには、使用する化粧品の成分も重要です。香料や着色料などの強い成分が含まれていると、肌に刺激を与えてブツブツが悪化する可能性があります。そこで、紹介したいのが肌にやさしい基礎化粧品「わらびはだ」です。ちなみに、「わらびはだ」とは沖縄の方言で、赤ちゃん肌という意味です。わらびはだには「馬プラセンタ」「ヒアルロン酸」「コエンザイムQ10」などの保湿成分が配合されています。プラセンタには、表皮の角質細胞に含まれる天然保湿因子のひとつが入っているというのが特徴です。天然保湿因子は肌の水分維持に必要な成分で、うるおいを守ってくれます。さらに、ターンオーバーを整えて美白効果も期待できる成分です。ヒアルロン酸もわたしたちの肌に存在する保湿成分のひとつで、水分だけでなく弾力やハリも保つ大切な役割があります。コエンザイムQ10は、保湿以外に肌細胞の活性化と新陳代謝アップの効果が期待できます。このように、もともと肌に存在する保湿成分を外から補うことができるのです。
「わらびはだ」は肌と同じ弱酸性・無香料・無着色・ノンパラベンで肌にやさしいのが特徴です。背中のブツブツは刺激を与えることによって発生したり悪化したりするおそれがあるので、刺激のある成分が含まれていないのはうれしいかぎりです。また、「わらびはだ」は化粧水・美容液・クリームがひとつで済むので手軽にケアでき、背中のブツブツだけでなく顔や首などにできた肌のポツポツにも効果的です。ひとつでさまざまな悩みに対処できるのでチェックしてみてください。背中が綺麗になれば、水着や肌見せファッションもためらうことなく着こなせるようになります。日常生活と基礎化粧品を意識して、赤ちゃんのようにつるつるの肌を目指しましょう。
稲葉 岳也(イナバ タケヤ)
いなばクリニック 院長
耳鼻咽喉科・皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科、美容外科
・日本耳鼻咽喉科学会専門医 ・日本レーザー医学会認定医
・日本アレルギー学会専門医
【略歴】
・慈恵医大卒
・慈恵医大附属病院、聖路加国際病院で勤務
・医学博士