いつの間にかプツプツと肌にできている「ニキビ」。1度できるとなかなか治らないことも多く、コンプレックスを感じている人も珍しくありません。ニキビが悪化してしまう原因はさまざまありますが、中でも影響が大きいのが「毛穴の詰まり」です。今回は、ニキビの基本的な知識に加え、ニキビケアや予防法などさまざまな対策を紹介していきます。
目次
ニキビができるのはなぜ?
そもそも肌にニキビができてしまうのは、毛穴に皮脂が詰まることが直接の原因です。肌にはアクネ菌という雑菌が住み着いており、毛穴に詰まった皮脂をエサとして繁殖します。アクネ菌が毛穴周辺の組織を刺激して炎症を引き起こした状態が「ニキビ」であり、場合によっては痛みや膿を発するほど炎症がひどくなってしまうケースもあります。
毛穴に皮脂がつまるのは、皮脂の分泌量が増えてしまうことも大きな原因です。本来、皮脂は肌を乾燥から守るために必要不可欠なものなのですが、分泌量が多ければ良いというものではありません。過剰な皮脂は毛穴の詰まりを招いたり、アクネ菌などの常在菌のエサになったりして肌にダメージを与えてしまうこともあるのです。皮脂の分泌量が増えてしまうのは、ストレスやホルモンバランスの乱れ、不規則な食事や睡眠不足といった生活習慣が大きく影響しています。ニキビに悩んでいる場合は、スキンケアだけでなく生活習慣にも気を配ることが大切です。
ニキビには種類がある
ひと口にニキビといってもさまざまなタイプが存在しますが、基本的には「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」に分けられます。どちらの種類かによって原因が異なるため、適切なニキビ対策も変わってきます。ニキビを悪化させないためには、自分がどちらのニキビなのかを知っておくことが大切です。
思春期ニキビは、名前の通り思春期の若者に多く見られるタイプのニキビです。20歳前後までに発症するケースが多く、主におでこや鼻の周囲などに発生します。思春期は体が著しく成長する時期でもあり、一時的に男性ホルモンの分泌量が急増することで皮脂が過剰分泌されやすくなるのです。皮脂はアクネ菌のエサになってしまうため、思春期の若者はどうしてもニキビができやすくなります。
大人ニキビは、20歳以降の成人に発生することが多いニキビです。あごや口の周りにできやすいのが特徴で、こちらは肌の乾燥やストレス、偏った食生活などによるホルモンバランスの乱れが大きく影響しています。ホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンの分泌量が増えて皮脂の量も増え、毛穴を詰まらせてニキビを招いてしまうのです。
ニキビの色の違いは炎症の有無
ニキビには、思春期ニキビと大人ニキビという種類の違いだけでなく、「色」による違いもあります。アクネ菌による炎症の進み具合により、白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビや膿ニキビなどに色が変わっていくのです。白ニキビは、もっとも症状が軽い初期段階です。皮脂が詰まって毛穴が盛り上がった状態で、炎症は起きていません。黒ニキビは、毛穴が開いて中に詰まっていた皮脂が空気に触れ、酸化して黒くなった状態です。あくまでも黒く見えているだけであり、こちらも炎症は起きていません。
赤ニキビは、アクネ菌がさらに皮脂をエサにして繁殖し、症状が悪化して炎症が起きた状態です。正しく治療しないとニキビ跡が残るおそれがあるだけでなく、炎症がさらに悪化して膿ニキビになってしまうケースもあります。膿ニキビはニキビの末期ともいえる状態で、毛穴の炎症がひどくなって膿ができてしまったものです。体は膿を体の外へ押し出そうとするため、外からも黄色い膿が見えやすくなってしまいます。ただのニキビだと思って放置していると、いつのまにか赤ニキビや膿ニキビなどに悪化してしまうおそれもあるので早めのケアが欠かせません。
ニキビができやすい部位はどこ?
アクネ菌が繁殖するためには、エサとなる皮脂が欠かせません。このため、ニキビができやすい部位は「皮脂が分泌されやすい部位」だといえます。ホルモンによる過剰な皮脂の分泌がかかわっている思春期ニキビの場合は、皮脂腺が発達しているおでこから鼻筋にかけてのTゾーンにニキビができやすくなります。また、おでこは前髪や洗顔料、シャンプーの洗い残しが刺激となってニキビを引き起こすケースもあるので注意しなければなりません。
大人ニキビの場合はホルモンバランスの乱れがかかわっているため、おでこやTゾーンだけでなくあごや口の周り、首や背中などさまざまな部位にニキビができやすくなります。あごや口の周りは男性であればヒゲが生える部位であり、男性ホルモンの影響を受けやすい場所なのです。また、食事の影響により胃腸の機能が弱ると、口周りや首にニキビができやすくなるという特徴もあります。背中は、おでこやTゾーンと同じように皮脂腺が発達している部位です。汗もかきやすいため、通気性が低下してアクネ菌が繁殖し、ニキビができてしまいます。
ニキビ対策は何をすればいい?
悪化してしまったニキビは、簡単には治らないことも多いのです。このため、そもそもニキビができないように予防対策を行うことが欠かせません。予防対策としてもっとも大切なのは、ニキビができてしまう原因を可能な限り減らすことです。直接的な原因は皮脂の過剰分泌なので、まずは皮脂を適切な量に維持するため、ホルモンバランスを整えるようにしましょう。ホルモンバランスは、規則正しい生活習慣を心がけることで、ある程度バランスよく整えられます。夜更かしをやめてたっぷりと睡眠をとる、栄養バランスが良い食事を3食とる、ストレスを発散する方法を見つけるなど、生活リズムに気を配ることが大切です。
また、分泌されてしまった皮脂を取り除くために正しい洗顔をしたり、アクネ菌の繁殖を抑えるために殺菌作用のあるローションなどを使用したりするのも効果的です。ホルモンバランスを整えることとスキンケアの両方を実践することで、ニキビの発生を防ぐだけでなく、できてしまったニキビも軽症のうちに治せる可能性が高まるでしょう。
正しい洗顔でニキビ予防を
毛穴に皮脂がつまるとアクネ菌が繁殖しやすいため、正しい洗顔をして皮脂を取り除くことがポイントになります。ただ、皮脂を落とそうとするあまり、ゴシゴシと顔を洗いすぎるのもよくありません。保湿のために必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥を招いて肌環境が悪化してしまう恐れがあるのです。このため、余計な皮脂を取り除く洗浄力を持ちながら、乾燥もしっかり防げる洗顔料を使うようにしましょう。
また、洗顔する際には、洗顔料を泡立てネットなどを使ってしっかりと十分な量を泡立てて、やさしく円を描くように洗うのがコツです。熱いお湯を使うのも、肌に余分な刺激が加わり、良くありません。温度は「人肌」程度のぬるま湯を使うようにしましょう。あくまで、余分な皮脂を取り除くことが洗顔の目的です。保湿のために必要な皮脂はキープすることが重要です。
ニキビは悪化させないことが大事
どんなに徹底した予防対策を行っていても、ホルモンバランスが乱れてしまえばニキビができる可能性はあります。これは仕方がないことなので、ニキビができてしまったときはクヨクヨ悩み続けるのはやめましょう。できてしまったニキビで悩むより、それ以上症状を悪化させないように正しくケアしてあげることが大切です。ニキビケアの基本は、できたニキビを傷つけないようにやさしく洗顔し、しっかりと保湿して炎症を抑えること。正しくケアすれば白ニキビのまま治せる可能性も十分にあるので、できるだけ早い段階でケアを始めるようにしましょう。